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ごもくば

触れたものの感想を綴ります。

SING 感想(ネタバレあり)

SING

2017/3/17 公開 ガース・ジェニングス監督・脚本 アメリカ

 タロン・エジャトンの歌が聞けるというので観に行った。透明感と若々しさに溢れる彼の歌声は、映画館で聞く価値があると思う。

 本編に関してだが、劇場支配人のバスター・ムーンの計画性のなさや思いつきだけで行動するその様からは、何故劇場が倒産寸前にまでなったのかがうかがえる。跡形もなく崩れてしまった劇場はショーによって確かに再建されたが、ムーンの経営者としての能力は物語の中で成長しているようには思えない。続編で再び経営が危ないことになっていてもなんら不思議ではないだろう。それともナナがバックアップにつくことでその事態は未然に防げるのだろうか。それから、専業主婦のロジータが自分の仕事をオートメーション化したことには、「専業主婦」「妻」「母」のあり方に対する皮肉を感じた。加えて夫は社畜のようだ。朝も晩も疲れていて目の下には隈すらこさえている。このブタの家族には、どことなく日本の一家庭を連想させるものがある。多くの子供をもつ母親のロジータが、失恋で泣き出したアッシュにアメやガムを与えたシーンはやけにリアルだった。劇場が倒壊するときにジョニーの腕につかまるアッシュも愛らしい。ジョニー、ロジータ、アッシュ、ミーナが気に入った。

 しかし銀行員のアルパカの立ち位置には嫌悪感を抱く。こういう物語にありがちな、ルールと契約に乗っ取って行動する常識的・論理的なキャラクターが悪役のような描写をされることが、私には気にくわないのである。