ごもくば

触れたものの感想を綴ります。

イノセント・ラブ 感想(ネタバレあり)

イノセント・ラブ

2004年制作 マイケル・メイヤー監督 マイケル・カニンガム脚本 アメリカ

 コリン・ファレルが気になってレンタルで観た。原題は「この世の果ての家」だそうで、そちらの方がラストのシーンは伝わりやすくて良いと思う。

 愛らしい幼少のボビーと美しい兄のシーンから、ヒッピーファッションの田舎くさい青年たちの会話へ切り替わったことに驚いた。ボビーは兄を失わなければもっと違った青年になったのだろう。何を考えているのかわからない、焦点の合わない遠い目をしたボビーは不思議だ。ジョナサンが家を出て美しいオープンゲイになっていたことに驚いた。再会した二人の視覚的ギャップの大きさといったらない。まるで二人の立場が逆転したかのように見えた。しかし物語が進んでいくと、二人は何も変わっていないことに気づく。自分の気持ちを上手く話せず割り切れないジョナサン。人のぬくもりを求め、ゆらゆらとあるがままに生きるボビー。そして溶け込めないクレアとアリス。結局男二人の世界だったのだ。ジョナサンはおそらく、ボビーよりも先に死ぬ。そのとき一人でいられないボビーは一体どうするのだろう。

 人に執着されるのはボビーだが、人に愛されるのはジョナサンなのだと思う。ボビーの、会う人を魅了し取り込んでいく様は少し恐ろしいものがある。人間味がないと言ってもいい。ボビーとアリスの二人きりのシーンでは、まさか彼女とまで寝やしないだろうなとひやひやしてしまった。しかしジョナサンがボビーのそんな一面に葛藤していたことには安心した。